ハンドメイド販売をしていると、受注確認や発送予定日など、お客様へメッセージを送る場面がありますよね。
その中で「返信不要です」と添えている方も多いのではないでしょうか。
私もそのひとりでした。
報告のためのメッセージにわざわざ返信をしなきゃと思わせないように。
そんな気遣いのつもりで、ずっとその一文を入れていました。
でもある時、お客様からその一文についてご指摘をいただいたことがありました。
それをきっかけに、私は「返信不要です」をやめました。
ただ最初に言っておきたいのは、「返信不要です」が悪いわけではないということです。
今回は、その一文を否定したいのではなく、私にとっては文面を見直すきっかけになった、というお話です。
「返信不要です」と書いていた理由
私が「返信不要です」と入れていたのは、受注確認や発送予定日のメッセージはあくまで報告のためのものだと思っていたからです。
そのたびにお客様が「返信した方がいいのかな」と気を遣わなくて済むように。
できるだけ負担をかけたくない、という気持ちがありました。
それに正直なところ、やり取りが増えるということは、その分だけ作業工程が増えるということでもあります。
小さなことでも積み重なれば時間がかかりますし、その負担が増えれば価格にも影響してしまうかもしれない。
だから当時の私にとって「返信不要です」は、効率のためというより、相手への気遣いのつもりでもありました。
はじめて受けた、お客様からのご指摘
そんな中で、ある時はじめて、お客様からその一文についてご指摘をいただきました。
内容としては、「悪いとまでは思わないけれど、やり取りをしたい人にとっては最初から壁を作られたように感じる」というものでした。
商品を売って終わり、という印象にも受け取れた、と。
その時は正直、かなり驚きました。
私としては相手に気を遣わせないための一文だったからです。
むしろ、相手を楽にしたいと思って入れていた言葉だったので、その思いが伝わらなかったことが少し悲しくて。
数日はそのことが頭から離れず、ずっとモヤモヤしていました。
すべての意見に応える必要はない
ただ、お客様の数だけいろんな見方があるのも事実。
良いと思う人もいれば、まったく逆に受け取る人もいる。
お客様が増えれば増えるほど、みんなにとって心地いい対応をするのは難しくなっていくものだと思います。
だから、いただいた意見すべてに応えなければいけないとは思っていません。
言われるたびに心をすり減らしたり、そのまま全部変えたりする必要もない。
でもその一方で、自分では当たり前だと思っていたことが、別の角度から見ると違って見えることもあります。
今回の出来事は、私にとってそんな「気づき」になるものでした。
買う側だったらどう感じるかを考えてみた
少し時間を置いてから、ふと考えました。
もし自分が買う側だったらどうだろう、と。
一目惚れした作品があって、購入して、届くのをわくわくしながら待っている。
その気持ちのまま「楽しみにしています」とか、「素敵な作品ですね」と一言送りたくなることもあるかもしれません。
そんな時に「返信不要です」と書かれていたら、
「やっぱりやり取りって迷惑かな」と少し遠慮してしまうかもしれない。
そう思った時、ようやく腑に落ちました。
私にとっては気遣いだった言葉も、相手によっては壁のように感じられることがある。
短い一文でも、受け取り方は人それぞれなんだなと思ったのです。
文面を少し変えてみた
そこで私は、まず「返信不要です」の一文を外しました。
その代わりに入れたのが
「追跡番号を知りたい方はお気軽にご連絡ください」
という一文です。
追跡番号を毎回すべてのお客様に送るのは、作業工程として考えると私には少し難しい。
でも、知りたい方にとって確認しやすい雰囲気は作っておきたい。
そしてそのついでに、「一言送りたい人は送っても大丈夫」と思えるような、少しオープンな空気にできたらいいなと思いました。
実際には、作業量が大きく増えたわけではなかった
文面を変える前は、正直少し不安もありました。
これでメッセージが一気に増えたらどうしよう、と。
でも実際にはそんなことはありませんでした。
以前と比べるとメッセージは少し増えましたが、その多くは
「楽しみにしています」
といったライトなものです。
こちらからあらためて返信が必要になるような内容は少なく、作業量が大きく増えて困るということもありませんでした。
まとめ
「返信不要です」が気遣いになるかどうか。
それはきっと、人によって感じ方が違うものだと思います。
その一文をありがたいと感じる人もいれば、少し距離を感じる人もいる。
だからこそ、「返信不要です」が悪い・良いと一概には言えないのだと思います。
ただ、自分にとって当たり前になっていた言葉が、相手には違って届くこともある。
そういう意味で、お客様からのご指摘は、ときどき自分のやり方を見直すヒントになるのだと思います。
私にとって今回の出来事は、「返信を求めない気遣い」から、「必要な人が声をかけやすい雰囲気を作ること」へと、少し考え方が変わるきっかけになりました。
そして、その“少し開いた雰囲気”の先にあるのが、ハンドメイドならではのやり取りだとも感じています。
「楽しみにしています」という一言や、リピーターさんからの「以前買ったものも愛用しています」というメッセージは、作り手にとって想像以上に励みになります。
きれいごとだけではなく、ハンドメイド販売を続けていく上で、リピーターさんの存在はショップの土台になってくれるものです。
また来てくださること自体が信頼の積み重ねで、その積み重ねが結果として売上の面でも支えになります。
だからこそ、無理のない範囲で、感謝をきちんと言葉にして返していきたいと思っています。
ハンドメイド販売は作品を届ける仕事ですが、そのあいだにある小さな言葉のやり取りもまた、買い物の一部なのかもしれません。
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